好みの彼に弱みを握られていますっ!
「あっ、待っ……」

 待って、と止める間もなく伸ばされた指先が、谷間を数回こすってから、まるで隘路を探るように中に入ってきて。

 宗親(むねちか)さんが私の様子を見ながら何かを探すみたいに中で指を少しずつ動かすのがすごく恥ずかしくて、下腹部にギュッと力が入った。

 と、恥骨付近。内側からある一点に触れられた瞬間、身体が勝手にビクッと跳ねて、何が起こったのか分からなくて戸惑ってしまう。

 自分でもその反応に驚かされて目を白黒させていたら、

「ここ、気持ちいいですか?」

 まるでそれを確認するように、吐息まじりの小声で宗親さんが尋ねてくる。

 気持ちいいかと聞かれても未知の感覚すぎて答えられないでいたら、トントン……と、さっき探り当てたばかりの場所から恥骨をノックするみたいに刺激されて。

 軽く振動させられるごとに徐々に気持ち良くなるその刺激に、
「……ふ、あぁっ」
 無意識に鼻にかかった声が漏れてしまう。

 すごく恥ずかしいって思うのに、それを考えさせたくないみたいに宗親さんが中と外から同時に秘部を刺激してくるから、私はわけが変わらなくなって、気が付いたら宗親さんの手にギュッと縋り付いていた。
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