好みの彼に弱みを握られていますっ!
「ん、んっ……!」

 下腹部の快感からもまだ完全に立ち直りきっていない気怠い身体が、それでもその刺激に反応して身体をびくん、と仰け反らせてしまう。

 胸の〝先端〟を、宗親(むねちか)さんに唇でやんわり咥えるように挟まれていると分かった時には、大きな快感が身体を突き抜けて、思わず鼻を抜けるような嬌声が漏れていた。

「ふ、ぁ、……っ……!」

 そのことに驚いて口を塞ぐように手で覆ったら、「ダメですよ? 春凪(はな)の気持ちいい声、僕にもっともっと聞かせて?」ってもう一方の胸の先端も、指先で軽く爪弾かれる。

「い、……ぁ……っ」

 宗親さんの言いなりになるのが悔しくて、何とか声を押し殺そうと頑張ったのに。

 まるで嘲笑うみたいにパクリと布ごと胸の先端を宗親さんに食べられて……。

 それだけならまだしも、いま弾かれたばかりの敏感なもう一方まで指の先でキュッとつままれたから堪らないの。
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