好みの彼に弱みを握られていますっ!
「きゃっ」

 慌てて胸を隠そうとしたら、宗親(むねちか)さんに手をギュッと握られて「ダメです」と言われて。

「な、んでですかっ」

 恥ずかしさに悶えながら涙目で訴えたら、

「キミの最低な元カレはキミの裸、見たんでしょう? 僕は春凪(はな)の夫になる男です。他の男が見たというのが事実なら、僕はそれ以上にキミの身体を見せてもらう権利があるはずです」

 物凄く真剣な顔で、もっともらしい雰囲気で仰ってますけど、すっごい俺様論ですっ!

 そこに私の意思が存在していないってこと、気付いておられますか?

 手をギュッと押さえつけられているから、隠したいのに隠せない胸が、宗親さんとの攻防のなか、ふるりと揺れた……。

 いままでずっと隠れていたはずの乳首がツンと天を仰いでいるのがふと視界に入って、身体が震えてしまうぐらい恥ずかしくて堪らなくなる。

 いつもは色付きの先、線が1本入っただけのソコに、見慣れない突起が突き出した胸の形状は、すごく女性らしくてエッチに思えた。

 気が付けば、全身が羞恥心のためか、ほんのりと桃色に染まって――。

 それが、宗親さんはいたくお気に召したらしい。
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