好みの彼に弱みを握られていますっ!
 滅茶苦茶臆病で慎重派なのかと思えば、バカみたいに無鉄砲……。

 そんなキミの危うさに、僕は色んな意味で物凄くゾクッとさせられるんだけど。

 いつも何かあった時を想定して、先の先まで考えてしまう僕にはとても真似出来ない芸当をしでかす春凪(はな)のことを、僕は心底放って置けないと思って。

 それと同時、僕にはないその思い切りの良さを、凄く魅力的にも感じたんだ。


 ねぇ春凪。キミは僕との生活が破綻することなんてないと信用してくれているの?

 それとも自ら退路を絶って、決心を固めようとしてくれているだけ……?


 どちらにしても……僕はキミを手離す気はないし、何もかもを処分してしまったキミを、露頭に迷わせるつもりなんて微塵もないのだけれど……。


 こうなったらそうだな。
 例えキミがどんなにダメだと言っても……。
 「僕が欲しいから」という名目で、春凪のためにアレやらコレやらを増やしていくのもありですよね?なんてことを思ったんだけど。

 そんな風に甘やかしたところで、きっと罰は当たらないはずだ。
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