好みの彼に弱みを握られていますっ!
18.勝算がおありなのですか?
「ところで……柴田さんにとって、春凪さんは跡取り娘さんですか?」
父の心をガッツリと掌握した辺りで。
不意に宗親さんが声のトーンを少し変えてそうおっしゃった。
宗親さんのその言葉に、頬が緩みがちだった父がハッとしたように宗親さんを見て。
そうしてとてもバツが悪そうな顔をして溜め息混じりに小さくうなずくの。
宗親さんはそんな父に、心底申し訳なさそうに眉根を寄せると、
「やはり」
つぶやくように言って、憂いを帯びた吐息を落とした。
その横顔がすごく綺麗で、私は思わず見惚れてしまう。
私が子供の頃からずっと言われ続けてきた、「春凪は大きくなったら婿養子を取って、息子を産むんだよ」という父や祖父の希望。
それを私、宗親さんに話した覚えはなかったけれど、彼はうちの父の先程の物言いから〝私も跡取り〟なんだと確信なさったんだろう。
私は改めて、宗親さんのことを凄い人だな、と思った。
父の心をガッツリと掌握した辺りで。
不意に宗親さんが声のトーンを少し変えてそうおっしゃった。
宗親さんのその言葉に、頬が緩みがちだった父がハッとしたように宗親さんを見て。
そうしてとてもバツが悪そうな顔をして溜め息混じりに小さくうなずくの。
宗親さんはそんな父に、心底申し訳なさそうに眉根を寄せると、
「やはり」
つぶやくように言って、憂いを帯びた吐息を落とした。
その横顔がすごく綺麗で、私は思わず見惚れてしまう。
私が子供の頃からずっと言われ続けてきた、「春凪は大きくなったら婿養子を取って、息子を産むんだよ」という父や祖父の希望。
それを私、宗親さんに話した覚えはなかったけれど、彼はうちの父の先程の物言いから〝私も跡取り〟なんだと確信なさったんだろう。
私は改めて、宗親さんのことを凄い人だな、と思った。