好みの彼に弱みを握られていますっ!
19.キミが思っている以上に僕は
うちの実家に宗親さんとともに挨拶に向かったのがほんの2週間ほど前。
その際、宗親さんが柴田の婿養子に入ることも、生まれてくる子供を柴田の方の養子に出すことも拒まれて。
結局その日のうちには結婚にOKをもらえなくて不安になった私に、宗親さんは大丈夫ですよ、とおっしゃった。
私、宗親さんのことは信じたかったけど、一方ではそこで話が頓挫することも十分あり得ると覚悟していたの。
でも、結果は宗親さんの言った通り。
今まで父や祖父の言いなりになっていた母と祖母が決起する形で呆気なくことなきを得てしまった――。
「春凪の家の方の問題は、うちの母が動いてくれれば何とでもなると最初から分かっていましたから」
リビングで、スーツ姿のままソファーに腰掛けてひとりウィスキーを嗜んでいらした宗親さんに、母からの電話の内容を伝えたら、例の腹黒スマイルを浮かべてそうおっしゃって。
私はそんな彼に、だったら教えてくださっても良かったのに、と思って唇を尖らせた。
その際、宗親さんが柴田の婿養子に入ることも、生まれてくる子供を柴田の方の養子に出すことも拒まれて。
結局その日のうちには結婚にOKをもらえなくて不安になった私に、宗親さんは大丈夫ですよ、とおっしゃった。
私、宗親さんのことは信じたかったけど、一方ではそこで話が頓挫することも十分あり得ると覚悟していたの。
でも、結果は宗親さんの言った通り。
今まで父や祖父の言いなりになっていた母と祖母が決起する形で呆気なくことなきを得てしまった――。
「春凪の家の方の問題は、うちの母が動いてくれれば何とでもなると最初から分かっていましたから」
リビングで、スーツ姿のままソファーに腰掛けてひとりウィスキーを嗜んでいらした宗親さんに、母からの電話の内容を伝えたら、例の腹黒スマイルを浮かべてそうおっしゃって。
私はそんな彼に、だったら教えてくださっても良かったのに、と思って唇を尖らせた。