好みの彼に弱みを握られていますっ!
「つかれた……。なんか食べたい……」
やって来た箱内に誰もいなかったのをいいことに、溜め息混じりにそう吐き出して、壁に背中を預ける。
と、ドアが閉まり切る直前にヌッ!と隙間に大きな手が差し入れられて。
「きゅぁっ」
完全にだらけモードで無防備になっていたところへの思わぬ奇襲に、カエルがつぶれたみたいな、はたまたRPGなどの回復魔法みたいな、恥ずかしい悲鳴が漏れた。
「開ボタンくらい押してくれてもいいのに……」
心臓バクバクでそんなゆとりなんてなかったけれど、言われてみればその通り。
挟まれた手に、安全装置が働いて再度口を開けた扉から箱内に入ってくるなり、手の主から非難がましい声で溜め息をつかれて、ほんの少し申し訳ない気持ちになる。
「す、すみません」
謝りはしたものの、もしも私、操作パネルに手を伸ばしていたら、間違いなく「閉」の方を連打しまくっていた自信があります!
だって手が差し込まれた瞬間、何かホラーチックで本ッ当にっ! 怖かったんですもの!
なんて思ったけれど、口に出すわけにはいかない。
何故なら乗り込んできた相手が、一応直属の上司だったから。
歯向かうなんて、滅相もございません。
やって来た箱内に誰もいなかったのをいいことに、溜め息混じりにそう吐き出して、壁に背中を預ける。
と、ドアが閉まり切る直前にヌッ!と隙間に大きな手が差し入れられて。
「きゅぁっ」
完全にだらけモードで無防備になっていたところへの思わぬ奇襲に、カエルがつぶれたみたいな、はたまたRPGなどの回復魔法みたいな、恥ずかしい悲鳴が漏れた。
「開ボタンくらい押してくれてもいいのに……」
心臓バクバクでそんなゆとりなんてなかったけれど、言われてみればその通り。
挟まれた手に、安全装置が働いて再度口を開けた扉から箱内に入ってくるなり、手の主から非難がましい声で溜め息をつかれて、ほんの少し申し訳ない気持ちになる。
「す、すみません」
謝りはしたものの、もしも私、操作パネルに手を伸ばしていたら、間違いなく「閉」の方を連打しまくっていた自信があります!
だって手が差し込まれた瞬間、何かホラーチックで本ッ当にっ! 怖かったんですもの!
なんて思ったけれど、口に出すわけにはいかない。
何故なら乗り込んできた相手が、一応直属の上司だったから。
歯向かうなんて、滅相もございません。