好みの彼に弱みを握られていますっ!
「春凪のお母様からも色々と言われておられたらしくて……父が出向いた折には拍子抜けするくらいあっさりと書いて下さったらしいですよ? あ。そう言えば春凪のおじいさまからも『孫をよろしくお願いします』って頭を下げられたって」
私の心を読んだみたいに、宗親さんが「――女性が本気になったらね、男は案外敵わないものなんですよ? 知ってましたか?」と付け加えていらっしゃるの。
そうして私の手をギュッと握るなり「だからこそ、僕は春凪の気持ちが変わらないうちにこの書類を早く出してしまいたいんです。――キミはお日柄とか気にしますか?」と畳みかけられた。
私はその話術に、いつもの宗親さんらしくない必死さを垣間見た気がして驚いてしまう。
その雰囲気に呑まれて「特には」と思わず答えてしまってから、すぐに思い直して言葉を紡ぎ直した。
「あ、あのっ。やっぱりせっかくだから大安か友引がいいです」
何となく――。
言ったら「分かりました。善処しましょう」と微笑まれて。
あ。これはいつもの腹黒スマイルだ、とホッとする。
さっき、やけに一生懸命に見えたのは、きっと私の気のせいだよね?
何となくそっちの方がいつも通り落ち着くな?とか思っている私は、大概宗親さんに毒されているんだろうな。
私の心を読んだみたいに、宗親さんが「――女性が本気になったらね、男は案外敵わないものなんですよ? 知ってましたか?」と付け加えていらっしゃるの。
そうして私の手をギュッと握るなり「だからこそ、僕は春凪の気持ちが変わらないうちにこの書類を早く出してしまいたいんです。――キミはお日柄とか気にしますか?」と畳みかけられた。
私はその話術に、いつもの宗親さんらしくない必死さを垣間見た気がして驚いてしまう。
その雰囲気に呑まれて「特には」と思わず答えてしまってから、すぐに思い直して言葉を紡ぎ直した。
「あ、あのっ。やっぱりせっかくだから大安か友引がいいです」
何となく――。
言ったら「分かりました。善処しましょう」と微笑まれて。
あ。これはいつもの腹黒スマイルだ、とホッとする。
さっき、やけに一生懸命に見えたのは、きっと私の気のせいだよね?
何となくそっちの方がいつも通り落ち着くな?とか思っている私は、大概宗親さんに毒されているんだろうな。