好みの彼に弱みを握られていますっ!
23.本音と指輪と初めての夜
「ねぇ春凪。もしかして怒っていますか?」
私がグダグダな気持ちのまま、どうにかこうにか作った親子丼をふたり横並びになってダイニングカウンターで食べながら。
いつもと同じ。
対面で座るわけじゃないから顔を見られなくていいなって思っていたんだけど……いつもならうるさいくらいにアレコレ喋る私が黙り込んでいたから宗親さんに不審がられてしまったみたい。
職場では出来る部下になれたと思ったのに……家ではダメな偽装妻だなって溜め息が漏れそうになる。
「おっ、怒ったりなんてしてないですよ? えっと……し、強いて言うなら……その、入籍のことを宗親さんからお聞きしてちょっと驚いたというか……」
私のバカ。
驚いたんです、って断言すれば良かったのに、まだ続きがあるみたいな言い回し。完全に墓穴掘っちゃったじゃない。
「驚いたというか?」
当然、続きを促すように宗親さんに言葉尻を拾われて、私は言い訳を探して所在なく親子丼をかき回した。
私がグダグダな気持ちのまま、どうにかこうにか作った親子丼をふたり横並びになってダイニングカウンターで食べながら。
いつもと同じ。
対面で座るわけじゃないから顔を見られなくていいなって思っていたんだけど……いつもならうるさいくらいにアレコレ喋る私が黙り込んでいたから宗親さんに不審がられてしまったみたい。
職場では出来る部下になれたと思ったのに……家ではダメな偽装妻だなって溜め息が漏れそうになる。
「おっ、怒ったりなんてしてないですよ? えっと……し、強いて言うなら……その、入籍のことを宗親さんからお聞きしてちょっと驚いたというか……」
私のバカ。
驚いたんです、って断言すれば良かったのに、まだ続きがあるみたいな言い回し。完全に墓穴掘っちゃったじゃない。
「驚いたというか?」
当然、続きを促すように宗親さんに言葉尻を拾われて、私は言い訳を探して所在なく親子丼をかき回した。