好みの彼に弱みを握られていますっ!
「春凪?」
明らかに不審な動きをしていたからだろう。宗親さんに箸を持つ手をそっと握られて動きを封じられて、心臓が大きく飛び跳ねる。
「本当に怒っては……いないんです。ただ――」
一緒に婚姻届を提出しに行けなかったこと、相談してもらえなかったことが寂しかっただけで。
そんな本音を伝えてしまったら、宗親さんは困ってしまうよね。
元々私たち、利害関係で結婚しようって話してたんだもの。
タイミングの良い時に婚姻届を出されたぐらいで、こんなにショックを受けてたらダメでしょう?
頭では分かっているのに、心が拒絶するからか、またしてもじわりと目尻に涙が滲んできて、私は懸命にまばたきをこらえた。
宗親さんにそんな情けない顔を見られたくなくて、見るとはなしに手元に視線を落としていたら、
「もしかして……指輪がまだなこと、拗ねてますか?」
私の手指をギュッと握る宗親さんに、私は心の中で「え?」と思って。
明らかに不審な動きをしていたからだろう。宗親さんに箸を持つ手をそっと握られて動きを封じられて、心臓が大きく飛び跳ねる。
「本当に怒っては……いないんです。ただ――」
一緒に婚姻届を提出しに行けなかったこと、相談してもらえなかったことが寂しかっただけで。
そんな本音を伝えてしまったら、宗親さんは困ってしまうよね。
元々私たち、利害関係で結婚しようって話してたんだもの。
タイミングの良い時に婚姻届を出されたぐらいで、こんなにショックを受けてたらダメでしょう?
頭では分かっているのに、心が拒絶するからか、またしてもじわりと目尻に涙が滲んできて、私は懸命にまばたきをこらえた。
宗親さんにそんな情けない顔を見られたくなくて、見るとはなしに手元に視線を落としていたら、
「もしかして……指輪がまだなこと、拗ねてますか?」
私の手指をギュッと握る宗親さんに、私は心の中で「え?」と思って。