好みの彼に弱みを握られていますっ!
何より、宗親さんは、程なくこの社を去る身。
「私が織田春凪になったことは、その時に公表したらいいですよ」って言われて……きっとそんなに長いこと黙っているわけではないんだよね、と漠然と納得して。
だけど「お給料とか銀行振込なんですけど名義変更とかしてなくて大丈夫なんですかねっ?」とソワソワした私に、宗親さんは「すぐにどうこうしなくても振り込む際に口座名義人と口座番号さえ相違がなければ入金は滞らないから大丈夫ですよ」と言って安心させて下さった。
私はそれをお聞きして心底ホッとしたの。
だってほら。少しずつ増えているとはいえ、一時は三桁を記録した通帳ですものっ。収入大事でしょ!?
「あ。ところで春凪。キミはクレジットカードを持っていたりしますか」
通帳の名義の絡みかな。
私を安堵させた直後、ふと思い出したようにそう聞かれて、「そんなものを持っていたら緊急時にアテにしてしまいそうで怖いから持っていません」と答えたら、「でしたら尚の事、しばらくは旧姓のままでも問題ないと思いますよ」とニッコリ微笑まれた。
「良かった! それなら安心ですね」
そう返しながら見上げた宗親さんの笑顔に、何だか〝含み〟があるように感じてしまった私だけど、宗親さんが含蓄ある腹黒スマイルを浮かべるのはある意味いつものことか、と思い直したの。
「私が織田春凪になったことは、その時に公表したらいいですよ」って言われて……きっとそんなに長いこと黙っているわけではないんだよね、と漠然と納得して。
だけど「お給料とか銀行振込なんですけど名義変更とかしてなくて大丈夫なんですかねっ?」とソワソワした私に、宗親さんは「すぐにどうこうしなくても振り込む際に口座名義人と口座番号さえ相違がなければ入金は滞らないから大丈夫ですよ」と言って安心させて下さった。
私はそれをお聞きして心底ホッとしたの。
だってほら。少しずつ増えているとはいえ、一時は三桁を記録した通帳ですものっ。収入大事でしょ!?
「あ。ところで春凪。キミはクレジットカードを持っていたりしますか」
通帳の名義の絡みかな。
私を安堵させた直後、ふと思い出したようにそう聞かれて、「そんなものを持っていたら緊急時にアテにしてしまいそうで怖いから持っていません」と答えたら、「でしたら尚の事、しばらくは旧姓のままでも問題ないと思いますよ」とニッコリ微笑まれた。
「良かった! それなら安心ですね」
そう返しながら見上げた宗親さんの笑顔に、何だか〝含み〟があるように感じてしまった私だけど、宗親さんが含蓄ある腹黒スマイルを浮かべるのはある意味いつものことか、と思い直したの。