好みの彼に弱みを握られていますっ!
 愛想を尽かされてしまうくらいなら、宗親(むねちか)さんの望みをひとつでも沢山叶えて彼を満足させた方が何倍もマシ。

 そんな思いで一杯で。

 宗親さんだってそのつもりで早々に上を脱ぎ捨てていらっしゃるんだもの。

 抱きしめられた時、無意識に回した宗親さんの背中、冷たかった。

 このままでいたら、彼に風邪をひかせてしまう。


 だから私、覚悟を決めたの。

 宗親さんならきっと。

 【本心はどうあれ】、こうちゃんみたいに萎えるとかあからさまに私をおとしいれたりしないで、傷付くことがないよう【上手く誤魔化して】くださるはず。

 私は宗親さんの【演技力を】信じて、身をゆだねることにした。
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