好みの彼に弱みを握られていますっ!
宗親(むねちか)さん、私、赤ちゃんは……もう少し落ち着いてからがいいです。でも……今日はちゃんと最後まで……して……頂きたいな、とも思っています。この間みたいに中途半端なのは、イヤです。そうなったら私、自分に魅力がないのがいけないんだって落ち込んじゃうので。宗親さんはそんなことないって仰ってくださいますけど……どうしても考えちゃうんです」

 加えてしどろもどろ、そんな風に言われたら堪らないじゃないか。

 春凪(はな)を手中に収めたいと熱望しているのは他ならぬ僕の方なのに。
 僕は、真実キミを僕のものに出来たわけじゃないと知っているから……だから、せめて身体ぐらいはって思ってるんだよ。

 それを押さえつけるのに苦労していたというのに、キミはそんなことを考えて悩んでいたの?

 そんな話を聞かされたら、さすがにセーブがきかなくなってしまう。


「春凪っ」

 僕の全身全霊をかけてキミを愛すって誓うから。

 だから今夜だけは、僕だけの春凪でいて?
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