好みの彼に弱みを握られていますっ!
 ――これじゃ、いくら触れても効果が半減しそうだな。

 そう思った僕は、彼女の中に指を残したまま、春凪(はな)の顔を間近で見下ろしてささやくように懇願した。

「ね、春凪。キスしていい?」

 春凪がギュッと閉じていた目をうっすら開けて、恥ずかしそうに視線を逸らせながら「……どうぞ」ってどこか事務的に言うの、逆に可愛すぎるんだけど。

 春凪から返る反応の全てが愛しくて、僕はつい「好きだよ」って口走りそうになって。
 そんなこと僕から言われても春凪が負担に感じるだけだろ、と思ってそれを飲み込むみたいに春凪の唇を塞いだ。

 好きだと言う気持ちを舌先に込めるように春凪の口中を執拗に探る。
 二人の唾液が混ざり合うのが嬉しくて……。舌を触れ合わせるたびに下に挿し入れたままの指が切なく締め付けられて、春凪の中がヒクヒク動くのが堪らなく愛しい。

 ――春凪はきっと、僕とのキスが嫌いじゃない。

 そう思わせてくれるみたいに、春凪の吐息が熱く濡れてくるのも、彼女の身体全体がほんのりと桜色にそまって体温が上がってくるのも、何もかもが恋しくて堪らない。

 変に緊張して込められていた身体の強張りがやんわり緩んできたのを感じて、僕は春凪の中に埋める指をもう一本増やした。

 中指と人差し指の腹で、膣内のぷっくり固くなったところを見つけると、愛液で濡らした親指で外の気持ちいいところをゆるゆると擦りながら、内側からも二本の指で見つけたポイントを優しくトントンとノックした。

「ふ、ぁ……っ?」

 途端春凪の身体がビクッと跳ねて、僕は心の中で「春凪、大好きだよ。お願い。もっともっと〝僕で〟感じて?」とつぶやいた。
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