好みの彼に弱みを握られていますっ!
「あ、ぁっ、……んっ」

 ゆるゆると無理なく拡げられていく隘路は、宗親(むねちか)さんが内壁を探るように擦るたびに甘く切ない刺激をもたらすから、その度に小さな声が漏れて……。
 私は自分のその反応にただただ驚かされて羞恥心を掻き立てられ、さらに高みへ昇らされてしまう。

 指一本だってしんどいと思っていたはずの入り口が、気が付けば宗親さんの大きくて長い指を何本も受け入れていて。
 彼が手を動かすたびにクチュクチュと恥ずかしいぐらいの水音を響かせた。


「あ、あのっ……私っ……」

 それが信じられなくて熱に浮かされたように宗親さんを見上げたら、宗親さんが「もう大丈夫かな」って私の額に掛かった髪の毛を払いのけて、額に優しくキスをしてくださった。

 その瞬間、「好き」がぶわりと膨らんだ私の下腹部はキュンと疼いて、宗親さんの指をギュッと締め付けてしまう。
 その感触が、恥ずかしいくらいに自分にも分かってしまった。

(私、宗親さんにキスされるの、大好きです)

 身体全体がそう叫んでいるみたいで、それが宗親さんに伝わってしまいそうでにわかに恥ずかしくなる。
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