好みの彼に弱みを握られていますっ!
28.左手薬指のアレ
朝、目が覚めたら超絶間近に好みのド・ストライクのお顔があって、
〝――っ!!〟
私は声に出して悲鳴を上げるのを、寸前のところでかろうじてこらえると、恐る恐るすぐそばにある宗親さんのお顔を眺めた。
(あーん、寝顔まで綺麗とか……どれだけハンサムなのっ)
もっとこう、明け方の男性っておひげとかちょっと伸びてきたりしてるものだと思ってたのに、宗親さんはそんなこともないみたい。
(何? この完璧さ……。やっぱり宗親さんってば人工物か何かなの!?)
ってお義父さまとお義母さまの愛の結晶だから……ある意味人工物か……などと馬鹿なことを考えてから、
(あ、待って待って。その論法でいくと私も人工物!)
と思い至る。
だけど当然、私はそこまで綺麗じゃない。
宗親さんと私の間には、芸術家が作った一級品と、素人が作ったやっつけ仕事くらいの差がある。
おひげの気配も感じない宗親さんと違って、私は寝起き、たまにヨダレの跡とかついてるしっ。
そこで私はハッとした。
〝――っ!!〟
私は声に出して悲鳴を上げるのを、寸前のところでかろうじてこらえると、恐る恐るすぐそばにある宗親さんのお顔を眺めた。
(あーん、寝顔まで綺麗とか……どれだけハンサムなのっ)
もっとこう、明け方の男性っておひげとかちょっと伸びてきたりしてるものだと思ってたのに、宗親さんはそんなこともないみたい。
(何? この完璧さ……。やっぱり宗親さんってば人工物か何かなの!?)
ってお義父さまとお義母さまの愛の結晶だから……ある意味人工物か……などと馬鹿なことを考えてから、
(あ、待って待って。その論法でいくと私も人工物!)
と思い至る。
だけど当然、私はそこまで綺麗じゃない。
宗親さんと私の間には、芸術家が作った一級品と、素人が作ったやっつけ仕事くらいの差がある。
おひげの気配も感じない宗親さんと違って、私は寝起き、たまにヨダレの跡とかついてるしっ。
そこで私はハッとした。