好みの彼に弱みを握られていますっ!
「みっ、見ないでくださいっ」

 その視線に耐えられなくなって――というか、まだ洗顔すら出来てないんだもん――ふぃっと顔をそらしたら、

「で、本当は何を言おうとしたの?」

 そこでやっと私の腰から腕を離してくれた宗親(むねちか)さんが、ムクッと起き上がってすぐそばにあぐらをかいた。

 目の端でそれを捉えた私は、
「――っ!」
 素っ裸の宗親さんのあまりに堂々とした態度に、声にならない悲鳴をあげて、布団を頭から被った。

「な、んでっ。私たち裸のままなんですかっ!?」

 目のやり場に困るじゃないですかっ。
 ついでに言うと、こんな格好じゃ私、逃げたくても布団から出られないじゃないですかっ。

 バフッと被った布団の中。
 ドキドキしながら叫んだ私を、宗親さんがクスクス笑うの。

「何でって、あの甘ぁ〜い一夜をキミは忘れてしまったの?」

 言いながら布団をめくられそうになって、中から必死に押さえて阻止したら、ますます楽しそうに笑われてしまう。

 昨夜、私の前では()を出してくださいって言ったけど……言いましたけど……い、いきなり出し過ぎじゃないですかっ?

 宗親さんの豹変ぶりに戸惑って、布団の中でフルフル震える私に、彼が言うの。
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