好みの彼に弱みを握られていますっ!
***

 結局宗親(むねちか)さんに先にお風呂へ入っていただいている間に、私は何とかベッド下に散らばっていた服をかき集めて身体を隠した。


 そうして一人、薄暗い寝室で昨夜のあれこれを思い出して――。

(す、すごかった!)

 何が、とは恥ずかしいから具体的には思い出さないようにしたけれど、とにかく色々すごかったのっ。

 初めてだらけで私、どうにかなってしまいそうで――。

 いや、実際、途中で意識が飛んでしまったのだから、どうにかなってしまったんだと思う。

 これから先も、宗親さんと肌を重ねるたびにあんな風になるのかもしれないって思うと、ぶわりと身体が熱くなった。

(……わ、私の胸、このままでもいいって言ってもらえた……ん、だよ、ね?)

 今はすっかり元通り。
 恥ずかしそうに引っ込んでしまった胸の先端を、パジャマを引っ張るようにして首元から覗いていたら「何してるの? 僕にも見せて欲しいな?」って声を掛けられて、飛び上がってしまった。
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