好みの彼に弱みを握られていますっ!
30.夫婦茶碗的な
 一度一線を越えてしまうと、なし崩し的にそういうことになりやすくなるのでしょうか。

 結局私はあのままよく分からないうちに宗親(むねちか)さんとまたしても肌を重ねてしまって……。


 飽きることなく一晩に何度も求められて、「明日もお仕事だって言ってらしたのにっ!」と思いながらも、私はついつい宗親さんの手腕に溺れて求められるままに彼の行為を受け入れてしまった……。

 ――ひょっとして……宗親さんは精力絶倫……?

 とか思いながらも、それが嫌じゃない――ばかりかむしろ嬉しいって思っちゃったとか……。冷静になると恥ずかしすぎるよ、私!


 それに。
 あんなに身体を――と言うより胸を見られるのが嫌だったはずなのに、今回は全然気にならなかった。

 もしかしたらそんなゆとりがなかっただけかもしれないけれど、そもそも宗親さんとの行為はそういう不安を全部吹き飛ばしてしまうんだもの。

 こんなの……ますます宗親さんから離れられなくなるじゃん。

 宗親さんに飽きられてしまったらって思うと、すごく怖い。

 困るよ――。
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