好みの彼に弱みを握られていますっ!
31-2.その頃の宗親
side:Munechika
今日は家に帰っても春凪がいないと思うと、会社を後にするのがいつも以上に遅くなってしまった。
どの道やることは山積みだ。
社に残って仕事に集中していれば、時間が経つのが早い。
家に帰って春凪のいない部屋でぼんやり過ごすよりはマシな気がしたのだ。
「雨……?」
会社を出ると、いつの間に降り出したんだろう?
あちこちに水溜りが出来ていた。
今は霧雨みたいなものしか降っていないけれど、この感じからすると一時は結構降ったのかな?
(春凪は濡れたりせずに店に入れただろうか)
ほとんど無意識に、そんなことを思ってしまった。
もうすっかり真っ暗になった街を通り抜けて、マンションに帰り着いてみると、自宅前の共有廊下に何かが落ちていて、その見慣れた色に僕はおや?と思う。
拾い上げてみると、それはレモン色とグレイのツートンカラーの布地に、コック帽を被った居眠りナマケモノが描かれたデザインのエプロンだった。
(どう考えてもこれ、うちの春凪のですよね)
こんな特殊なデザインのエプロン、そうそう誰も彼もが持っているとは思えない。
どの道やることは山積みだ。
社に残って仕事に集中していれば、時間が経つのが早い。
家に帰って春凪のいない部屋でぼんやり過ごすよりはマシな気がしたのだ。
「雨……?」
会社を出ると、いつの間に降り出したんだろう?
あちこちに水溜りが出来ていた。
今は霧雨みたいなものしか降っていないけれど、この感じからすると一時は結構降ったのかな?
(春凪は濡れたりせずに店に入れただろうか)
ほとんど無意識に、そんなことを思ってしまった。
もうすっかり真っ暗になった街を通り抜けて、マンションに帰り着いてみると、自宅前の共有廊下に何かが落ちていて、その見慣れた色に僕はおや?と思う。
拾い上げてみると、それはレモン色とグレイのツートンカラーの布地に、コック帽を被った居眠りナマケモノが描かれたデザインのエプロンだった。
(どう考えてもこれ、うちの春凪のですよね)
こんな特殊なデザインのエプロン、そうそう誰も彼もが持っているとは思えない。