好みの彼に弱みを握られていますっ!
 宗親(むねちか)さんの腕の中で目をキラキラさせながら「近いうちに絶対(じぇったい)ほたるを(ちゅ)れて来ましゅ! フルーツとシュパークリングワインも用意しといてくらしゃい♡」と言ったら、宗親さんが盛大に溜め息をつきながら「明智(あけち)、うちの春凪(はな)を餌付けするの、やめてもらえますか?」とつぶやいて。

春凪(はな)もっ! チーズやフルーツやスパークリングワインならいくらでも僕が買ってきますから明智に懐かない!」

 って怒ってくるの。

「えーっ」

 私が不満を口にするのと、

「営業妨害するなら織田(おりた)にはもう酒もチーズも取り寄せてやんねーぞっ」

 と明智さんが言ったのとがほぼ同時で。

 宗親さんが家に蓄えている珍しいチーズや美味しいお酒の数々は、Misoka(ミソカ)経由だったことを私、初めて知ったの。

 通りで。
 私の好みを熟知したチーズやお酒のラインナップだなって思ってたんですよぅ!

 Misoka(ミソカ)のオーナーなら、私の好み、よく知っておられるもの。

 というより私が好きなチーズとお酒の組み合わせ、ほぼ八割方Misoka(ミソカ)で食べたことがあるもの、だから。
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