好みの彼に弱みを握られていますっ!
***
「ほたる〜、ありがとぉーね。すっごく助かったぁ〜」
ほたるのところに寄って、借りていた傘と合鍵を返して。
鞄は故あって宗親さんがほたるに手渡して下さったんだけど――。
「夜分に突然お邪魔して申し訳ありません。どうしても直接お会いしてお礼が言いたかったものですから」
言って、宗親さんは、私がほたるに借りていた鞄を差し出した。
「うちの春凪が大変お世話になりました。僭越ながら、お借りしたお金のほうも、中に戻させていただいております」
宗親さんに耳元で言われて、間近でニコッと微笑まれたほたるが、カチンコチンになって「はっ。恐悦至極。有り難き幸せにございます!」と訳の分からないことを言うのを見て、何となくムッとしてしまった。
「宗親さ……っ! 近いれす!」
グイッと宗親さんの腕を引っ張ってほたるから遠ざけたら、嬉しそうに「すみません、春凪」と謝られて余計に悔しくなる。
そこで明智さんに言われたことを思い出した私は、半ば腹いせみたいに
「ほたるぅ、今度Misokaに飲みに行って色々ゆっくり話そっ⁉︎ 服も……その時に返しゅんでいい?」
とほたるに問いかけた。
「もちろん。アタシもめっちゃ聞きたいことあるし、近いうちに声かけてね」
「Misokaのマスター、サービスしてくれるって言ってたし、楽しみにしててー」
ほたるにそんな返事をして、してやったりと言う気持ちで宗親さんを見上げたら、不機嫌そうなお顔になっていて嬉しくなる。
(ふふん。意趣返しですよぉ〜だっ!)
心の中であかんべをして、私たちはほたるの家を後にした。
「ほたる〜、ありがとぉーね。すっごく助かったぁ〜」
ほたるのところに寄って、借りていた傘と合鍵を返して。
鞄は故あって宗親さんがほたるに手渡して下さったんだけど――。
「夜分に突然お邪魔して申し訳ありません。どうしても直接お会いしてお礼が言いたかったものですから」
言って、宗親さんは、私がほたるに借りていた鞄を差し出した。
「うちの春凪が大変お世話になりました。僭越ながら、お借りしたお金のほうも、中に戻させていただいております」
宗親さんに耳元で言われて、間近でニコッと微笑まれたほたるが、カチンコチンになって「はっ。恐悦至極。有り難き幸せにございます!」と訳の分からないことを言うのを見て、何となくムッとしてしまった。
「宗親さ……っ! 近いれす!」
グイッと宗親さんの腕を引っ張ってほたるから遠ざけたら、嬉しそうに「すみません、春凪」と謝られて余計に悔しくなる。
そこで明智さんに言われたことを思い出した私は、半ば腹いせみたいに
「ほたるぅ、今度Misokaに飲みに行って色々ゆっくり話そっ⁉︎ 服も……その時に返しゅんでいい?」
とほたるに問いかけた。
「もちろん。アタシもめっちゃ聞きたいことあるし、近いうちに声かけてね」
「Misokaのマスター、サービスしてくれるって言ってたし、楽しみにしててー」
ほたるにそんな返事をして、してやったりと言う気持ちで宗親さんを見上げたら、不機嫌そうなお顔になっていて嬉しくなる。
(ふふん。意趣返しですよぉ〜だっ!)
心の中であかんべをして、私たちはほたるの家を後にした。