好みの彼に弱みを握られていますっ!
前に婚姻届を提出するに当たって、何か希望はありますか?って宗親さんに問いかけられた時、とりあえず「大安がいいです」って……。
大してお日柄にこだわりもないくせに言ったことを思い出した私だったけれど、今回、宗親さんの動機はそこじゃないみたい。
前に、宗親さんが婚姻届を提出なさったと嘘をついていらしたときは、「今日は大安だったので」っておっしゃったけれど、今日はそういうわけではない……?
だったら何が理由なの?
何だか訳が分からなくて、私は戸惑ってしまう。
そもそも出したと嘘をついていた理由も、まだ話してくださっていないのに……。
あやふやなままにされるのは嫌だって思ってしまった。
「……嫌、です……」
小さくポツンとこぼしたら、宗親さん、断られるなんて思っていらっしゃらなかったのかな? 「え?」って驚いた声を出すの。
「私、まだ宗親さんから、嘘をついた〝理由〟も、何でそうしなきゃいけなかったのかっていう〝弁解〟も、お聞きしていません。――だから、嫌です」
グスグス鼻をすすりながら言ったら、宗親さんが「あぁ、そうでしたね」ってつぶやいて、「キミに好きだって言ってもらえたことが嬉しくてつい……」と心底申し訳なさそうに眉根を寄せて微笑んだ。
大してお日柄にこだわりもないくせに言ったことを思い出した私だったけれど、今回、宗親さんの動機はそこじゃないみたい。
前に、宗親さんが婚姻届を提出なさったと嘘をついていらしたときは、「今日は大安だったので」っておっしゃったけれど、今日はそういうわけではない……?
だったら何が理由なの?
何だか訳が分からなくて、私は戸惑ってしまう。
そもそも出したと嘘をついていた理由も、まだ話してくださっていないのに……。
あやふやなままにされるのは嫌だって思ってしまった。
「……嫌、です……」
小さくポツンとこぼしたら、宗親さん、断られるなんて思っていらっしゃらなかったのかな? 「え?」って驚いた声を出すの。
「私、まだ宗親さんから、嘘をついた〝理由〟も、何でそうしなきゃいけなかったのかっていう〝弁解〟も、お聞きしていません。――だから、嫌です」
グスグス鼻をすすりながら言ったら、宗親さんが「あぁ、そうでしたね」ってつぶやいて、「キミに好きだって言ってもらえたことが嬉しくてつい……」と心底申し訳なさそうに眉根を寄せて微笑んだ。