好みの彼に弱みを握られていますっ!
いつもの自信に満ち溢れた腹黒い笑顔もカッコ良くて大好きだけれど、こんな風に表情豊かに笑う宗親さんの方が何万倍も何億倍も大好き。
そう思ってしまう。
「ちょっと……座りましょうか」
間近に立っていたら、二〇センチ以上の身長差のせいで、私はかなり首を上向けた姿勢になる。
それが辛そうだと思われたのかな。
宗親さんに促されて、私はすぐそばのソファーに座らされる。
そのまま横に腰掛けると思っていた宗親さんは、でもソファーには腰掛けずに私の前に跪くように腰を落とした。
「宗親、さ……?」
お陰で目線は随分楽になったけれど、今度は私が彼を見下ろすみたいになってしまったことが落ち着かない。
なのに宗親さんは「しー」って私の唇に人差し指を当てて黙らせると、そのまま話し出すの。
「僕が、以前婚姻届を出さなかった理由は……春凪が僕のことを好きになってくれていなかったからです」
宗親さんに切ない表情で見上げられて、私は思わず「え?」とつぶやいた。
「僕はね、春凪。キミと両想いになれるまでは婚姻届は出さないって心に決めていたんだ」
偽装結婚を持ちかけていらしたくせに?
そんなことをおっしゃる宗親さんにキョトンとしたら、彼が小さく吐息を落とした。
そう思ってしまう。
「ちょっと……座りましょうか」
間近に立っていたら、二〇センチ以上の身長差のせいで、私はかなり首を上向けた姿勢になる。
それが辛そうだと思われたのかな。
宗親さんに促されて、私はすぐそばのソファーに座らされる。
そのまま横に腰掛けると思っていた宗親さんは、でもソファーには腰掛けずに私の前に跪くように腰を落とした。
「宗親、さ……?」
お陰で目線は随分楽になったけれど、今度は私が彼を見下ろすみたいになってしまったことが落ち着かない。
なのに宗親さんは「しー」って私の唇に人差し指を当てて黙らせると、そのまま話し出すの。
「僕が、以前婚姻届を出さなかった理由は……春凪が僕のことを好きになってくれていなかったからです」
宗親さんに切ない表情で見上げられて、私は思わず「え?」とつぶやいた。
「僕はね、春凪。キミと両想いになれるまでは婚姻届は出さないって心に決めていたんだ」
偽装結婚を持ちかけていらしたくせに?
そんなことをおっしゃる宗親さんにキョトンとしたら、彼が小さく吐息を落とした。