好みの彼に弱みを握られていますっ!
結局、あの時は彼が手にしたレッサーパンダを見て、「今まで通りでお願いします」とお答えして。
宗親さんはそんな私に「仕方ありませんね」って了承して下さったはずだったのですが。
仕事中はいつも通り「鬼上司」な宗親さんなのに、プライベートだと依然「デレ」全開で私を戸惑わせてくれています。
私たちはまだ入籍は済ませていない、いわゆる〝婚約〟状態のまま。
宗親さん的にはあの日どうしても未提出のままだった婚姻届を出してしまいたかったみたいなんだけど、私が却下したの。
だって、やっぱり出すからにはお日柄とか選びたかったんだもん。
***
「夜は動きにくいって……そんなに〝お盛ん〟なの?」
「おさかっ⁉︎」
会社近くにある喫茶店『Red Roof』でほたると向かい合って座っていた私は、声を低められて告げられた彼女のセリフに、思わず口に含んだばかりのアイスカフェラテを吹き出しそうになってしまった。
カラカラと涼しい顔で「本日のブレンド」で作られたアイスコーヒーを付属のストローでかき混ぜるほたるを見て、私は「ちょっ、ほたる!」と思わず声を張ってしまって。
周りからの視線を集めてしまう。
「春凪、慌てすぎ」
クスクス笑うほたるに、私は真っ赤になりながら俯いた。
今日私とほたるが座っているのは、奇しくも宗親さんの罠にまんまと嵌められた日に私が座っていたあの席で。
ほたると向かい合わせに座ってしまったことを、私、ちょっぴり後悔しています。
だってだって! バーMisokaで隣り合わせに座った時みたいに横並びの方が、ヒソヒソ話には向いてるんだもん。
(って、今日はヒソヒソ話をする予定じゃありませんでしたけどねっ⁉︎)
そんなことを思っていたら、ほたるがグッと身を乗り出すようにして私の方に顔を寄せてきた。
(なに、なにっ⁉︎ まだ何か爆弾落とす気なの、ほたるぅ〜!)
その仕草に警戒する私に、
「――で、結局、春凪はいつだったか宣言した通り〝下だけ脱いでる〟の?」
って聞いてくるとか!
「バカ! ちょっ! いま昼間っ!」
Misokaでのノリそのままに私に色々言ってくるほたるに、私はさっきからずっと振り回されまくりです。
宗親さんはそんな私に「仕方ありませんね」って了承して下さったはずだったのですが。
仕事中はいつも通り「鬼上司」な宗親さんなのに、プライベートだと依然「デレ」全開で私を戸惑わせてくれています。
私たちはまだ入籍は済ませていない、いわゆる〝婚約〟状態のまま。
宗親さん的にはあの日どうしても未提出のままだった婚姻届を出してしまいたかったみたいなんだけど、私が却下したの。
だって、やっぱり出すからにはお日柄とか選びたかったんだもん。
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「夜は動きにくいって……そんなに〝お盛ん〟なの?」
「おさかっ⁉︎」
会社近くにある喫茶店『Red Roof』でほたると向かい合って座っていた私は、声を低められて告げられた彼女のセリフに、思わず口に含んだばかりのアイスカフェラテを吹き出しそうになってしまった。
カラカラと涼しい顔で「本日のブレンド」で作られたアイスコーヒーを付属のストローでかき混ぜるほたるを見て、私は「ちょっ、ほたる!」と思わず声を張ってしまって。
周りからの視線を集めてしまう。
「春凪、慌てすぎ」
クスクス笑うほたるに、私は真っ赤になりながら俯いた。
今日私とほたるが座っているのは、奇しくも宗親さんの罠にまんまと嵌められた日に私が座っていたあの席で。
ほたると向かい合わせに座ってしまったことを、私、ちょっぴり後悔しています。
だってだって! バーMisokaで隣り合わせに座った時みたいに横並びの方が、ヒソヒソ話には向いてるんだもん。
(って、今日はヒソヒソ話をする予定じゃありませんでしたけどねっ⁉︎)
そんなことを思っていたら、ほたるがグッと身を乗り出すようにして私の方に顔を寄せてきた。
(なに、なにっ⁉︎ まだ何か爆弾落とす気なの、ほたるぅ〜!)
その仕草に警戒する私に、
「――で、結局、春凪はいつだったか宣言した通り〝下だけ脱いでる〟の?」
って聞いてくるとか!
「バカ! ちょっ! いま昼間っ!」
Misokaでのノリそのままに私に色々言ってくるほたるに、私はさっきからずっと振り回されまくりです。