好みの彼に弱みを握られていますっ!
***
結局宗親さんは先にお風呂も済ませていらして、今や白のTシャツに黒のイージーパンツ姿。
宗親さんがリビングに入って来るなり、ふわりとシャンプーと石鹸の香りが漂ってきて、私は内心ドキドキさせられて。
「す、すぐに食べられるので座って待っていてくださいっ」
お風呂上がりで上気した色っぽい宗親さんから慌てて視線をそらすと、鍋の中のカレーに集中する。
香辛料の濃いにおいが、いい具合に宗親さんのお風呂上がりの香りをかき消してくれたことにホッとしながら、焦げ付かないようにゆるゆるとお玉を動かす。
「うん。すっごく美味しそうだ。カレー、昨日から仕込んでくれていましたもんね」
「ひぁっ!」
油断していたところ、いきなり背後から腰に腕を回されて、頭の上に軽くあごを載せるようにしてそう問いかけられた私は、変な声と共にビクッと身体を跳ねさせた。
「火っ! 使ってるのに危ないですっ!」
IHだから実際には炎なんて出ていないけれど、熱いものを扱っているのは紛れもない事実。
そんなに強く抱きしめられているわけではないのに、私はカチンコチンに固まってぎこちない動きになってしまう。
「情ないなぁ。今日はキミが半休を取ったりするから……《《半日も》》春凪と離れていたんですよ? 少しぐらいは充電させてください」
言われて、腕の力をほんの少し強められた私は、この甘えたモードの宗親さんをどうしてくれようかとオロオロする。
そもそも「半日《《しか》》」離れていません!
結局宗親さんは先にお風呂も済ませていらして、今や白のTシャツに黒のイージーパンツ姿。
宗親さんがリビングに入って来るなり、ふわりとシャンプーと石鹸の香りが漂ってきて、私は内心ドキドキさせられて。
「す、すぐに食べられるので座って待っていてくださいっ」
お風呂上がりで上気した色っぽい宗親さんから慌てて視線をそらすと、鍋の中のカレーに集中する。
香辛料の濃いにおいが、いい具合に宗親さんのお風呂上がりの香りをかき消してくれたことにホッとしながら、焦げ付かないようにゆるゆるとお玉を動かす。
「うん。すっごく美味しそうだ。カレー、昨日から仕込んでくれていましたもんね」
「ひぁっ!」
油断していたところ、いきなり背後から腰に腕を回されて、頭の上に軽くあごを載せるようにしてそう問いかけられた私は、変な声と共にビクッと身体を跳ねさせた。
「火っ! 使ってるのに危ないですっ!」
IHだから実際には炎なんて出ていないけれど、熱いものを扱っているのは紛れもない事実。
そんなに強く抱きしめられているわけではないのに、私はカチンコチンに固まってぎこちない動きになってしまう。
「情ないなぁ。今日はキミが半休を取ったりするから……《《半日も》》春凪と離れていたんですよ? 少しぐらいは充電させてください」
言われて、腕の力をほんの少し強められた私は、この甘えたモードの宗親さんをどうしてくれようかとオロオロする。
そもそも「半日《《しか》》」離れていません!