好みの彼に弱みを握られていますっ!
「きょ、今日って二十日だよね? 三十日なんてすぐそこじゃん」
それを誤魔化すように慌てて言ったら、ほたるが形の良い眉を寄せた。
「そう、もうすぐそこなの。なのに私、プレゼント、まだ決められてない! ねぇ、どうしよう、春凪っ。何あげたらいいと思う?」
二人にとって、付き合いだして初めての誕生日。そりゃあ色々考えちゃうよね。
「ほたるは誕生日、明智さんから何もらったの?」
あまり考えずに聞いたら、「付き合い始めたの、私の誕生日より後なの。明智さんの誕生日の方が先にきちゃうのよぅ」とほたるが唇を尖らせる。
(ヤダ、ほたる。めちゃくちゃ可愛いっ)
ほたるの誕生日は七月二十八日。
言われてみれば、二人が付き合い始めたのは晩夏の頃だからそうなるよね。
「ねぇ春凪。春凪は織田さんの誕生日、何あげたの?」
言われて、私はぐっと言葉に詰まった。
私の誕生日――四月二十日――は付き合っているんだかいないんだか微妙な時期に過ぎてしまったからいいとして。
「私、宗親さんのお誕生日、お祝いしてない……」
彼の誕生日は八月七日。
婚姻届を書くとき、「何か狙ったみたいに春凪の名前の語呂合わせみたいでしょう? 運命を感じませんか?」と腹黒スマイルを浮かべられたのをふと思い出した。
何だかんだとそう言うことにさえも託けられて、「やはり僕の偽装妻はキミしかいないと思うんですよね」と言われたんだっけ。
あれを書いたときは宗親さんとこんな関係になるだなんて思ってもいなかったから「はいはい、そうですね」って軽くあしらってしまったんだけど。
(あんなに分かりやすく記憶に残るようにされてたのに何も出来てないってマズ過ぎる!)
「え、春凪。噓でしょ?」
当然のようにほたるに瞳を見開かれた私は、「う、嘘のような本当の話です」とつぶやいて、ガックリと項垂れた。
「……ほたるぅ~。クリスマスプレゼント選ぶの手伝ってぇー」
泣きそうになりながら言ったら、「先にプレゼントの相談したの私!」ってほたるが言って。
二人で顔を見合わせてから、一緒にプレゼントを選びに行こう!という話になった。
それを誤魔化すように慌てて言ったら、ほたるが形の良い眉を寄せた。
「そう、もうすぐそこなの。なのに私、プレゼント、まだ決められてない! ねぇ、どうしよう、春凪っ。何あげたらいいと思う?」
二人にとって、付き合いだして初めての誕生日。そりゃあ色々考えちゃうよね。
「ほたるは誕生日、明智さんから何もらったの?」
あまり考えずに聞いたら、「付き合い始めたの、私の誕生日より後なの。明智さんの誕生日の方が先にきちゃうのよぅ」とほたるが唇を尖らせる。
(ヤダ、ほたる。めちゃくちゃ可愛いっ)
ほたるの誕生日は七月二十八日。
言われてみれば、二人が付き合い始めたのは晩夏の頃だからそうなるよね。
「ねぇ春凪。春凪は織田さんの誕生日、何あげたの?」
言われて、私はぐっと言葉に詰まった。
私の誕生日――四月二十日――は付き合っているんだかいないんだか微妙な時期に過ぎてしまったからいいとして。
「私、宗親さんのお誕生日、お祝いしてない……」
彼の誕生日は八月七日。
婚姻届を書くとき、「何か狙ったみたいに春凪の名前の語呂合わせみたいでしょう? 運命を感じませんか?」と腹黒スマイルを浮かべられたのをふと思い出した。
何だかんだとそう言うことにさえも託けられて、「やはり僕の偽装妻はキミしかいないと思うんですよね」と言われたんだっけ。
あれを書いたときは宗親さんとこんな関係になるだなんて思ってもいなかったから「はいはい、そうですね」って軽くあしらってしまったんだけど。
(あんなに分かりやすく記憶に残るようにされてたのに何も出来てないってマズ過ぎる!)
「え、春凪。噓でしょ?」
当然のようにほたるに瞳を見開かれた私は、「う、嘘のような本当の話です」とつぶやいて、ガックリと項垂れた。
「……ほたるぅ~。クリスマスプレゼント選ぶの手伝ってぇー」
泣きそうになりながら言ったら、「先にプレゼントの相談したの私!」ってほたるが言って。
二人で顔を見合わせてから、一緒にプレゼントを選びに行こう!という話になった。