好みの彼に弱みを握られていますっ!
それと同時、ふわりと頭を撫でられて、「それなら仕方ありませんね。でも、夜は絶対僕のために時間をあけること。――いいですね?」と間近でじっと顔を見つめられる。
康平との一件があって以来、宗親さんの過保護には拍車が掛かっている。
そんな彼を説得してほたると二人きりで出かけることは、かなり困難を極めるだろうと覚悟していた私は、余りにあっさりOKをもらえたことに拍子抜けしてしまった。
「あ、あの……いいんですか?」
驚きの余り思わず間の抜けた声を出してしまった私を宗親さんがギュッと抱きしめていらして、彼が身にまとうマリン系のコロンがふわりと鼻腔をくすぐった。
その香りに包まれた瞬間、自分はいま宗親さんの腕の中にいるんだと実感させられて、凄く幸せな気持ちになった。
いつだって宗親さんはこの上品なマリン系の香りとともに、私のそばにいて下さるから。
彼とは切っても切り離せないその香りに、私はうっとりと身をゆだねて、いつだって宗親さんに守られているんだと痛感させられる。
***
「宗親さん、そ、その……お誕生日には何もお祝い出来てなくて本当にすみませんっ! それで、これ!」
「……え?」
宗親さんが帰宅なさるなり、ガバッと頭を下げながら小さな包みを両手で差し出したら、驚いたみたいにキョトンとされて。
私は恥ずかしさに思わず縮こまってしまう。
「この前Misokaで集まった時、ほたると話していて気付いたんです。私、ずっと宗親さんにしていただくばっかりで何もお返し出来てないって」
考えてみれば、宗親さんは私の誕生日なんて関係なしに、あれこれと沢山のプレゼントを下さったのだ。
一緒に暮らし始めて程なくして、実家にわざわざ出向いて下さった宗親さんは、私が囚われていた〝柴田の跡取り〟という鎖を断ち切って下さった。
あれはきっと、宗親さん以外の男性には出来ない、最大のプレゼントだった気がする。
それに――。
そもそも家なき子になってしまった私に、高級マンションへ住まう権利まで与えて下さって……使っていなかった部屋にエアコンを新調して下さった上、わざわざ私好みの扇風機まで付けて快適に過ごせるよう配慮して下さった。
康平との一件があって以来、宗親さんの過保護には拍車が掛かっている。
そんな彼を説得してほたると二人きりで出かけることは、かなり困難を極めるだろうと覚悟していた私は、余りにあっさりOKをもらえたことに拍子抜けしてしまった。
「あ、あの……いいんですか?」
驚きの余り思わず間の抜けた声を出してしまった私を宗親さんがギュッと抱きしめていらして、彼が身にまとうマリン系のコロンがふわりと鼻腔をくすぐった。
その香りに包まれた瞬間、自分はいま宗親さんの腕の中にいるんだと実感させられて、凄く幸せな気持ちになった。
いつだって宗親さんはこの上品なマリン系の香りとともに、私のそばにいて下さるから。
彼とは切っても切り離せないその香りに、私はうっとりと身をゆだねて、いつだって宗親さんに守られているんだと痛感させられる。
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「宗親さん、そ、その……お誕生日には何もお祝い出来てなくて本当にすみませんっ! それで、これ!」
「……え?」
宗親さんが帰宅なさるなり、ガバッと頭を下げながら小さな包みを両手で差し出したら、驚いたみたいにキョトンとされて。
私は恥ずかしさに思わず縮こまってしまう。
「この前Misokaで集まった時、ほたると話していて気付いたんです。私、ずっと宗親さんにしていただくばっかりで何もお返し出来てないって」
考えてみれば、宗親さんは私の誕生日なんて関係なしに、あれこれと沢山のプレゼントを下さったのだ。
一緒に暮らし始めて程なくして、実家にわざわざ出向いて下さった宗親さんは、私が囚われていた〝柴田の跡取り〟という鎖を断ち切って下さった。
あれはきっと、宗親さん以外の男性には出来ない、最大のプレゼントだった気がする。
それに――。
そもそも家なき子になってしまった私に、高級マンションへ住まう権利まで与えて下さって……使っていなかった部屋にエアコンを新調して下さった上、わざわざ私好みの扇風機まで付けて快適に過ごせるよう配慮して下さった。