好みの彼に弱みを握られていますっ!
そこまで言ってプレゼントを捧げ持ったままの私の手を箱ごとそっと両手で包み込むと、
「毎日美味しいご飯を作ってもらって、可愛いキミを思うさま抱かせてもらえる。キミと過ごす日々が幸福過ぎてお釣りがきてるくらいなのに……これ以上何を返そうっていうの?」
言って額に柔らかな口付けを下さった。
「でも、私――」
それでも折角のプレゼント。
受け取って頂けないのは悲しすぎます!
眉根を寄せてそう言おうとしたら――。
「お返しとかじゃなくて……ただの贈り物だったら凄く嬉しいんだけどな?」
唇を耳元に寄せられて、低められた声でそう落とされた。
私は宗親さんの言葉にゾクリと耳を侵食されてうっとりした後、ハッとして。
「あ、あのっ。これ――。く、クリスマスプレゼントです!」
お返しだなんて照れ隠しをしちゃいけなかったんだ。
宗親さんは純粋に〝プレゼント〟としてなら受け取ってくださる気満々なのだから。
お返しだと言って差し出した時には手を出して下さらなかった小箱を、宗親さんが今度こそ嬉しそうに受け取って下さった。
「春凪、有難う。中身は何かな? ――開けてみてもいい?」
大好きな宗親さんの心からの笑顔に、私はコクコクと一生懸命頷いた。
***
宗親さんに誘われるままソファーへ横並びに座って。
宗親さんの大きくて繊細な指先が、シュルリ……とリボンを解いてシックな色合いの包装紙を丁寧に剥がしていくのを横目に見遣る。
私だったらきっと、 ビリビリに破ってしまうだろうなって思いながら宗親さんの手指の動きをまじまじと見詰めていたら「そんなに見られたら緊張しちゃうんだけどな?」と、クスッと笑われてしまった。
確かに食い入るように見過ぎてしまったと反省して慌てて正面に向き直った私を、宗親さんがそっと抱き寄せてくる。
「ねぇ春凪。どうせなら特等席で観察しませんか?」
笑みを含んだ声音で誘われて、「えっ?」とつぶやくと同時、私は宗親さんに引き寄せられて、彼の足の間に座らされていた。
背中全体を包み込むように宗親さんの温かな体温を感じて、照れ臭さに逃げようとしたら「逃げちゃダメですよ」って耳元で囁かれて両腕に閉じ込められてしまう。
余りに急接近してしまったからかな。
宗親さんが動くたび、彼が纏ったマリン系のコロンの香りがふわりと鼻先を掠めて、何だか物凄く恥ずかしい。
そのまま私越し、器用に包みを剥がし切って、真っ白な箱をパカッと開けた宗親さんが小さく息を呑んだのが分かった。
「毎日美味しいご飯を作ってもらって、可愛いキミを思うさま抱かせてもらえる。キミと過ごす日々が幸福過ぎてお釣りがきてるくらいなのに……これ以上何を返そうっていうの?」
言って額に柔らかな口付けを下さった。
「でも、私――」
それでも折角のプレゼント。
受け取って頂けないのは悲しすぎます!
眉根を寄せてそう言おうとしたら――。
「お返しとかじゃなくて……ただの贈り物だったら凄く嬉しいんだけどな?」
唇を耳元に寄せられて、低められた声でそう落とされた。
私は宗親さんの言葉にゾクリと耳を侵食されてうっとりした後、ハッとして。
「あ、あのっ。これ――。く、クリスマスプレゼントです!」
お返しだなんて照れ隠しをしちゃいけなかったんだ。
宗親さんは純粋に〝プレゼント〟としてなら受け取ってくださる気満々なのだから。
お返しだと言って差し出した時には手を出して下さらなかった小箱を、宗親さんが今度こそ嬉しそうに受け取って下さった。
「春凪、有難う。中身は何かな? ――開けてみてもいい?」
大好きな宗親さんの心からの笑顔に、私はコクコクと一生懸命頷いた。
***
宗親さんに誘われるままソファーへ横並びに座って。
宗親さんの大きくて繊細な指先が、シュルリ……とリボンを解いてシックな色合いの包装紙を丁寧に剥がしていくのを横目に見遣る。
私だったらきっと、 ビリビリに破ってしまうだろうなって思いながら宗親さんの手指の動きをまじまじと見詰めていたら「そんなに見られたら緊張しちゃうんだけどな?」と、クスッと笑われてしまった。
確かに食い入るように見過ぎてしまったと反省して慌てて正面に向き直った私を、宗親さんがそっと抱き寄せてくる。
「ねぇ春凪。どうせなら特等席で観察しませんか?」
笑みを含んだ声音で誘われて、「えっ?」とつぶやくと同時、私は宗親さんに引き寄せられて、彼の足の間に座らされていた。
背中全体を包み込むように宗親さんの温かな体温を感じて、照れ臭さに逃げようとしたら「逃げちゃダメですよ」って耳元で囁かれて両腕に閉じ込められてしまう。
余りに急接近してしまったからかな。
宗親さんが動くたび、彼が纏ったマリン系のコロンの香りがふわりと鼻先を掠めて、何だか物凄く恥ずかしい。
そのまま私越し、器用に包みを剥がし切って、真っ白な箱をパカッと開けた宗親さんが小さく息を呑んだのが分かった。