好みの彼に弱みを握られていますっ!
「春凪はこれをどういう気持ちで作ってくれたの?」
私越し、宗親さんが香水瓶の蓋を開けるのがすぐ目の前で見えて。背後からそんな声を掛けられた私は緊張でキュッと小さく縮こまった。
「む、宗親さんは八月生まれなので……夏の朝の爽やかな感じを入れて頂きました」
夏と言えばという連想から瑞々しい柑橘類を連想した私は、思いつくままにそんなお話をエバリュエーターさんにして。
大好きな男性へのプレゼントなんですと話したら、「彼の写真はありますか?」って聞かれたからスマートフォンに入った十一月の挙式の時の写真をお見せした。画像をピンチアップして宗親さんをズームにしたら、一瞬だけエバリュエーターさんが息を呑まれたのが分かった。
「……凄く……ハンサムなご主人ですね」
ほぅ、っと溜め息をつくみたいにそう言われた私は、(ですよね、ですよね? 宗親さん、滅茶苦茶かっこいいですよね!?)なんて思いながら、同時に〝ご主人〟というパワーワードに照れまくって。
それを誤魔化すように宗親さんが出会った時からずっとマリン系の香りをまとわれているお話をした。
「出会った時から付けていらっしゃるマリン系の香りは、私の中での宗親さんのイメージそのものなのでそこは外せない事もお伝えして。それから――」
そこまで言ってから、「お伝えしました」と言い切って話を終わりにしなかったことを軽く後悔してしまう。
だって。
これを言うのは凄く恥ずかしいって気付いちゃったんだもん。
「それから――?」
「……あ、あの、彼はお声も……お顔も……その、何もかもすっごくセクシーな人なので……大人の男性の色香を感じさせるような香りも詰め込んで欲しいって……お願いしました」
言いながら、結構な無茶ぶりだったな!?と自分でも思ってしまったけれど、そこも外せない宗親さんのイメージだったから仕方ない。
宗親さんがそんな私の盛大な好き好き暴露に何もおっしゃらずただただ、私の腰に回した腕に力を込めてくるから。その事が何だか物凄く照れ臭くなってしまった。
いつもみたいに「春凪はそんなに僕のことが好きなんですね」とか意地悪く揶揄ってもらえた方が、「そんなことありません!」って誤魔化せるのに。
最近の宗親さんは本当に読めなくて困ります……。
私越し、宗親さんが香水瓶の蓋を開けるのがすぐ目の前で見えて。背後からそんな声を掛けられた私は緊張でキュッと小さく縮こまった。
「む、宗親さんは八月生まれなので……夏の朝の爽やかな感じを入れて頂きました」
夏と言えばという連想から瑞々しい柑橘類を連想した私は、思いつくままにそんなお話をエバリュエーターさんにして。
大好きな男性へのプレゼントなんですと話したら、「彼の写真はありますか?」って聞かれたからスマートフォンに入った十一月の挙式の時の写真をお見せした。画像をピンチアップして宗親さんをズームにしたら、一瞬だけエバリュエーターさんが息を呑まれたのが分かった。
「……凄く……ハンサムなご主人ですね」
ほぅ、っと溜め息をつくみたいにそう言われた私は、(ですよね、ですよね? 宗親さん、滅茶苦茶かっこいいですよね!?)なんて思いながら、同時に〝ご主人〟というパワーワードに照れまくって。
それを誤魔化すように宗親さんが出会った時からずっとマリン系の香りをまとわれているお話をした。
「出会った時から付けていらっしゃるマリン系の香りは、私の中での宗親さんのイメージそのものなのでそこは外せない事もお伝えして。それから――」
そこまで言ってから、「お伝えしました」と言い切って話を終わりにしなかったことを軽く後悔してしまう。
だって。
これを言うのは凄く恥ずかしいって気付いちゃったんだもん。
「それから――?」
「……あ、あの、彼はお声も……お顔も……その、何もかもすっごくセクシーな人なので……大人の男性の色香を感じさせるような香りも詰め込んで欲しいって……お願いしました」
言いながら、結構な無茶ぶりだったな!?と自分でも思ってしまったけれど、そこも外せない宗親さんのイメージだったから仕方ない。
宗親さんがそんな私の盛大な好き好き暴露に何もおっしゃらずただただ、私の腰に回した腕に力を込めてくるから。その事が何だか物凄く照れ臭くなってしまった。
いつもみたいに「春凪はそんなに僕のことが好きなんですね」とか意地悪く揶揄ってもらえた方が、「そんなことありません!」って誤魔化せるのに。
最近の宗親さんは本当に読めなくて困ります……。