好みの彼に弱みを握られていますっ!
「む、宗親さんのせいでは……っ」
私が勝手に一人で彼と離れる名残惜しさにこんなになってしまっただけなのに。
どこまでも優しい宗親さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
泣きそうな顔で「私、はしたないのでっ」ってギュッと足に力を入れたら、「春凪。もしかして……気付いてないの?」って眉根を寄せられて。
私は宗親さんの言葉の意味が分からなくて「え?」と小さく吐息を落とした。
「今、溢れてきてるの、きっと春凪のじゃなくて《《僕の》》、だよ?」
「……宗、親さん、の? え? ……な、んで?」
「春凪に挿入る前、そのまましてもいい?って聞いたの、覚えてない?」
困ったみたいに眉根を寄せて見つめられた私は、ハッとして瞳を見開いた。
「宗親さん、……私っ」
だから、だったんだ。
いつもと何だか違う感じがしたの。
そのことに今更のように気が付いた私は、慌ててキュッと入り口に力を込めて中のものがこれ以上漏れ出てこないように頑張ったのだけれど。
きっともう、後の祭りだよね。
「ごめんなさい、宗親さん。――私っ」
せっかく宗親さんが私の中に出して下さったのに、きっと殆ど外に押し出してしまった。
そのことが泣きたいくらいに悔しくて、彼の顔をまともに見られないぐらい申し訳ない。
「春凪、ごめん。泣かないで? 僕がもっとちゃんとキミの意思を確認しなかったからいけないんだ。――本当に……ごめん」
そんな私をギュッと抱き締めると、宗親さんが「謝ってすむことじゃないけど……」と続けて、何度も何度も「ごめん」って言ってくるの。
私は彼の言動に違和感を覚えて。
「どうして……宗親さんが謝る、んです、か? 悪いのは私なのに」
恐る恐るそう問いかけた。
「だって春凪。《《まだ》》子供を作るの、イヤだったんでしょう?」
聞かれて、私は宗親さんが盛大な勘違いをなさっているんだと思い知った。
「ちっ、違いますっ。私が謝ったのは……せっかく宗親さんが赤ちゃんが出来るようにしてくださったのに……私、気付かなくて……その、ほ、殆ど零してしまったから。……配慮が足りなくてごめんなさいって思ったんです。それだけなんです」
誰よりも、宗親さんとの赤ちゃんが欲しいと熱望しているのはほかならぬ私自身なのに。
それを勘違いされたままは嫌だった。
「春凪は……僕との子供を望んでくれてる……?」
恐る恐る頬に触れられた私は「当たり前じゃないですか。私、前にもちゃんとそう言いましたよね?」と力強く答えてその手をギュッと包み込んだ。
私が勝手に一人で彼と離れる名残惜しさにこんなになってしまっただけなのに。
どこまでも優しい宗親さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
泣きそうな顔で「私、はしたないのでっ」ってギュッと足に力を入れたら、「春凪。もしかして……気付いてないの?」って眉根を寄せられて。
私は宗親さんの言葉の意味が分からなくて「え?」と小さく吐息を落とした。
「今、溢れてきてるの、きっと春凪のじゃなくて《《僕の》》、だよ?」
「……宗、親さん、の? え? ……な、んで?」
「春凪に挿入る前、そのまましてもいい?って聞いたの、覚えてない?」
困ったみたいに眉根を寄せて見つめられた私は、ハッとして瞳を見開いた。
「宗親さん、……私っ」
だから、だったんだ。
いつもと何だか違う感じがしたの。
そのことに今更のように気が付いた私は、慌ててキュッと入り口に力を込めて中のものがこれ以上漏れ出てこないように頑張ったのだけれど。
きっともう、後の祭りだよね。
「ごめんなさい、宗親さん。――私っ」
せっかく宗親さんが私の中に出して下さったのに、きっと殆ど外に押し出してしまった。
そのことが泣きたいくらいに悔しくて、彼の顔をまともに見られないぐらい申し訳ない。
「春凪、ごめん。泣かないで? 僕がもっとちゃんとキミの意思を確認しなかったからいけないんだ。――本当に……ごめん」
そんな私をギュッと抱き締めると、宗親さんが「謝ってすむことじゃないけど……」と続けて、何度も何度も「ごめん」って言ってくるの。
私は彼の言動に違和感を覚えて。
「どうして……宗親さんが謝る、んです、か? 悪いのは私なのに」
恐る恐るそう問いかけた。
「だって春凪。《《まだ》》子供を作るの、イヤだったんでしょう?」
聞かれて、私は宗親さんが盛大な勘違いをなさっているんだと思い知った。
「ちっ、違いますっ。私が謝ったのは……せっかく宗親さんが赤ちゃんが出来るようにしてくださったのに……私、気付かなくて……その、ほ、殆ど零してしまったから。……配慮が足りなくてごめんなさいって思ったんです。それだけなんです」
誰よりも、宗親さんとの赤ちゃんが欲しいと熱望しているのはほかならぬ私自身なのに。
それを勘違いされたままは嫌だった。
「春凪は……僕との子供を望んでくれてる……?」
恐る恐る頬に触れられた私は「当たり前じゃないですか。私、前にもちゃんとそう言いましたよね?」と力強く答えてその手をギュッと包み込んだ。