好みの彼に弱みを握られていますっ!
私は宗親さんと二人きりにされてしまったことに何だか今更のように照れてしまって。
「給仕をしてくれるスタッフ、女性にして正解だったな」
フルートグラスを掲げて乾杯をした後、グラス越しにそんな私を見て宗親さんがクスクス笑うから、意味が分からなくてキョトンとしてしまう。
「え?」
宗親さんの言葉の真意が汲み取れなくて小首をかしげたら、「僕を無視してあんなにぼんやりシャンパンを注ぐところを凝視されたらさ。春凪が給仕係を見ているんじゃないと分かっていても妬けてしまうじゃないか」とさらりと告げられて。
私は宗親さんの言葉に、思わず瞳を見開いた。
「なっ、何をバカなことを……」
慌てて手にしたグラスをクイッと傾けたら、シュワシュワとした炭酸が喉を刺激して、小さくむせてしまう。
「春凪、大丈夫?」
途端宗親さんがガタッと席を立つ気配がして。
私は慌てて「だ、大丈夫です」と涙目で訴えた。
(ごめんなさい! こんな……。めっちゃ説得力ないですね)
テーブルマナーが完璧な宗親さんを思わず立たせてしまったことを申し訳なく思いながら。
ここが人目のあるレストランじゃなくて良かったと本気で思ってしまった。
***
昨夜ディナーを堪能して。
宗親さんがクリスマスプレゼントに選んでくださったのは、珍しいチーズの詰め合わせだったから。
チーズが好き過ぎるあまりついテンションが上がりまくった私は、それに合うというお酒を出されるがままに飲み過ぎてほわほわしてしまった。
とは言え、メインのお目当てが普段あまりお目に掛かれないようなチーズ一択だった私は、お酒に関しては結構セーブして飲めたと思うし、足腰が立たなくなるほどではなかったはずなのだけれど。
今朝、ベッドで目が覚めてお手洗いに行こうと布団から抜け出してみたら一糸纏わぬ姿だったことに恥ずかしくなって、すぐそばに散らばっていたバスローブを羽織った……までは良かったの。
だけど。
そのまま何の気なしに立ち上がったら、まるで生まれたての小鹿みたいに足がフルフルしてうまく立てなくて驚いてしまった。
「ひゃっ!」
ベッドでは宗親さんが裸のまま気持ちのよさそうな寝息を立てていらっしゃるから……私、極力音を立てないよう布団と腰に回された宗親さんの腕からそーっと逃げ出したのに……台無し。
ベッドサイドに立ったと同時にストンとその場に尻餅をついた私は、思わず小さく悲鳴を上げて宗親さんを起こしてしまった。
「春凪?」
すぐそばから心配そうに声をかけられたけれど、自分の身体が自分のものではないような感覚に不安で押しつぶされそうな私は、申し訳ないけどそれどころでなくて。
(何で? 何で? 何で?)
ただ立とうとしただけなのにこんなに足がガクガクして力が入らないなんて想定外だよ!
一生懸命立ち上がろうと頑張るのに思うように足に力が伝わらない――ばかりか。
「ひゃんっ」
とろりと、蜜口を割って出てきた生暖かい気配に、私は慌てて入り口を閉ざすように力を込めた。
この感覚、知ってる――。
「宗親さんの……」
つぶやいたと同時。
我慢できなくなったのかな。
すぐそばから伸びてきた宗親さんの腕に抱き上げられてしまった。
その反動で、当然のように膣内から溢れ出てきたものがツツツ……と内ももを伝い落ちるから。
「や、ダメっ」
こんな私を抱きしめたりしたら、宗親さんにも《《付いて》》しまいますっ。
多分そんなの宗親さんは微塵も気にしない人だと言うのは分かっているのに、恥ずかしさのあまり真っ赤な顔でそんなことを思ってしまった。
「給仕をしてくれるスタッフ、女性にして正解だったな」
フルートグラスを掲げて乾杯をした後、グラス越しにそんな私を見て宗親さんがクスクス笑うから、意味が分からなくてキョトンとしてしまう。
「え?」
宗親さんの言葉の真意が汲み取れなくて小首をかしげたら、「僕を無視してあんなにぼんやりシャンパンを注ぐところを凝視されたらさ。春凪が給仕係を見ているんじゃないと分かっていても妬けてしまうじゃないか」とさらりと告げられて。
私は宗親さんの言葉に、思わず瞳を見開いた。
「なっ、何をバカなことを……」
慌てて手にしたグラスをクイッと傾けたら、シュワシュワとした炭酸が喉を刺激して、小さくむせてしまう。
「春凪、大丈夫?」
途端宗親さんがガタッと席を立つ気配がして。
私は慌てて「だ、大丈夫です」と涙目で訴えた。
(ごめんなさい! こんな……。めっちゃ説得力ないですね)
テーブルマナーが完璧な宗親さんを思わず立たせてしまったことを申し訳なく思いながら。
ここが人目のあるレストランじゃなくて良かったと本気で思ってしまった。
***
昨夜ディナーを堪能して。
宗親さんがクリスマスプレゼントに選んでくださったのは、珍しいチーズの詰め合わせだったから。
チーズが好き過ぎるあまりついテンションが上がりまくった私は、それに合うというお酒を出されるがままに飲み過ぎてほわほわしてしまった。
とは言え、メインのお目当てが普段あまりお目に掛かれないようなチーズ一択だった私は、お酒に関しては結構セーブして飲めたと思うし、足腰が立たなくなるほどではなかったはずなのだけれど。
今朝、ベッドで目が覚めてお手洗いに行こうと布団から抜け出してみたら一糸纏わぬ姿だったことに恥ずかしくなって、すぐそばに散らばっていたバスローブを羽織った……までは良かったの。
だけど。
そのまま何の気なしに立ち上がったら、まるで生まれたての小鹿みたいに足がフルフルしてうまく立てなくて驚いてしまった。
「ひゃっ!」
ベッドでは宗親さんが裸のまま気持ちのよさそうな寝息を立てていらっしゃるから……私、極力音を立てないよう布団と腰に回された宗親さんの腕からそーっと逃げ出したのに……台無し。
ベッドサイドに立ったと同時にストンとその場に尻餅をついた私は、思わず小さく悲鳴を上げて宗親さんを起こしてしまった。
「春凪?」
すぐそばから心配そうに声をかけられたけれど、自分の身体が自分のものではないような感覚に不安で押しつぶされそうな私は、申し訳ないけどそれどころでなくて。
(何で? 何で? 何で?)
ただ立とうとしただけなのにこんなに足がガクガクして力が入らないなんて想定外だよ!
一生懸命立ち上がろうと頑張るのに思うように足に力が伝わらない――ばかりか。
「ひゃんっ」
とろりと、蜜口を割って出てきた生暖かい気配に、私は慌てて入り口を閉ざすように力を込めた。
この感覚、知ってる――。
「宗親さんの……」
つぶやいたと同時。
我慢できなくなったのかな。
すぐそばから伸びてきた宗親さんの腕に抱き上げられてしまった。
その反動で、当然のように膣内から溢れ出てきたものがツツツ……と内ももを伝い落ちるから。
「や、ダメっ」
こんな私を抱きしめたりしたら、宗親さんにも《《付いて》》しまいますっ。
多分そんなの宗親さんは微塵も気にしない人だと言うのは分かっているのに、恥ずかしさのあまり真っ赤な顔でそんなことを思ってしまった。