好みの彼に弱みを握られていますっ!
「あの、わたくし、こよみハイツの201号室に住んでおります柴田春凪と申します。先日から再三ご連絡をいただいていましたのに……折り返しが遅くなって申し訳ありません」
『――こよみハイツの柴田さん……』
先方のお姉さんがそうつぶやいた途端、『貸して』という男性の声がして。
保留音も『お待ちください』もないままに電話の相手が代わってしまう。
『柴田さん? あー、良かった! やっと連絡がつきました!』
今日も連絡が取れないようなら、直接アパートへ出向こうと思っていたと続けられて、私は本当に申し訳ない気持ちになる。
それと同時、「そこまでして何の用が?」とにわかに不安になった。
お家賃はちゃんと毎月指定の口座にお振り込みしているし、滞納だってないはず。
「あ、あのっ……。もしかして私の知らないうちにお家賃が値上がりしたとか……」
恐る恐る問いかけたら『まさかっ。そんなことはありませんよ』と即座に返されてホッとする。
でも――。
『――こよみハイツの柴田さん……』
先方のお姉さんがそうつぶやいた途端、『貸して』という男性の声がして。
保留音も『お待ちください』もないままに電話の相手が代わってしまう。
『柴田さん? あー、良かった! やっと連絡がつきました!』
今日も連絡が取れないようなら、直接アパートへ出向こうと思っていたと続けられて、私は本当に申し訳ない気持ちになる。
それと同時、「そこまでして何の用が?」とにわかに不安になった。
お家賃はちゃんと毎月指定の口座にお振り込みしているし、滞納だってないはず。
「あ、あのっ……。もしかして私の知らないうちにお家賃が値上がりしたとか……」
恐る恐る問いかけたら『まさかっ。そんなことはありませんよ』と即座に返されてホッとする。
でも――。