好みの彼に弱みを握られていますっ!
「僕はどうやってあの場から抜け出そうか、ずっと考えていたんです。キミには申し訳ありませんが、貴女が泣きながら席に戻ってきたのを見た時、正直僕には茶番を終わらせる、またとない好機にしか思えなかったんですよ」
ぼんやりと窺い見た織田課長の口元がニヤリと弧を描いたのが見えた気がして、私は少し肩の力を抜く。
だとしたら、私ひとりが負い目を感じる必要はない……の、かな?って思えたから。
「お役に立てたのでしたら光栄です……」
私が泣いていようがいなかろうがお構いなしと言った風情の、織田課長の淡々とした変わりない態度に、私は少しずつ自分が冷静さを取り戻していくのが分かった。
織田課長が人でなしのドS課長で良かった。
もしも物凄く優しい人で、「どうしたの?」って根掘り葉掘り聞かれていたら私、今もまだ大泣きしていたと思うもの。
ぼんやりと窺い見た織田課長の口元がニヤリと弧を描いたのが見えた気がして、私は少し肩の力を抜く。
だとしたら、私ひとりが負い目を感じる必要はない……の、かな?って思えたから。
「お役に立てたのでしたら光栄です……」
私が泣いていようがいなかろうがお構いなしと言った風情の、織田課長の淡々とした変わりない態度に、私は少しずつ自分が冷静さを取り戻していくのが分かった。
織田課長が人でなしのドS課長で良かった。
もしも物凄く優しい人で、「どうしたの?」って根掘り葉掘り聞かれていたら私、今もまだ大泣きしていたと思うもの。