俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
だだっ広い部屋の
高級ベッドの上。
この1枚だけで、いくらすんだよ!って、
ケチをつけたくなるフカフカ掛布団を、
勢いよくはぎ
ジャージに着替え、
走り込みに出かけた俺。
帰宅後、シャワーを浴び。
私服に着替えて。
薔薇や花が咲き誇るガーデンに。
御曹司の世話をしている俺の、
朝一の仕事。
それは……
ガーデンテーブルの上
べちゃべちゃ生クリームみたいに
上半身をだらけさせ、
半泣き状態の雨璃を、あやすこと。
あやすって言っても、あれだぜ。
『どうしたの?』とか
『大丈夫?』みたいな
保健室の先生みたいな優しさは
一切無いぜ。
魔王が頭をどつくように
キツめの言葉をあびせまくる。
心にナイフをめった刺しにする
荒治療が
このヘタレ御曹司の
メンタル回復に
効果絶大って、
わかっているからな。