俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
☆桜牙side☆
「ったく、亮。
俺の顏を蹴るなよな」
寝相悪すぎのガキ二人に
川の字で挟まれ、
文句タラタラな俺。
「優はすぐ布団から出てくし。
何度、掛け直させるんだよ」
優の下に丸まってる掛布団を
引っこ抜き、
もう一度かけなおす。
2人が熟睡したのを確認して、
布団から抜けだした。
ついに来てしまった。
この時間が。
俺が璃奈の部屋に入る
夢みたいな時間が……
軋む廊下を、なるべく音を
立てないように歩く。
亮たちが起きた時点で
タイムアウト。
大好きな女との
二人だけの時間が
消えてなくなったら、
涙が似合わない俺が泣くこと
確実だわ。