俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


やばっ。

目が合った今
初めて気がづいた。

たとえ右目だけでも
俺、オマエのこと好きだわ。

っていうかさ

なんでこれ以上
ドアを開けねぇんだよ。

俺が璃奈の部屋に
入るなってこと?


好きな女に
ベタ惚れ男子の覚悟。

見くびってると
痛い目を見るって
わからせてやる!


俺はドアを掴み、勢いよく開けた。

そこに立っていたのは
真っ白なモコモコパジャマを
着た璃奈。

「ひゃっ!」

オオカミに襲われる
羊みたいな声を上げたから

「ばかっ。
 声出すなって」

俺は璃奈の口を
とっさに手で覆った。

……が。

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