俺の気持ちに気づけよ、バーカ!

「……起きたら?」と
首をかしげる璃奈。


「私のせいで優くん達が
 起きちゃたら、デコピン?」


「おうちゃんのデコピン。
 おでこの骨がズキズキするほど
 痛いから、
 もう大声を出さないように
 気をつけるよ」と、追加し

懺悔中のワンコみたいな
ウルウル目を、
俺に向けてくる。


弱々しく揺れている
璃奈の瞳。

俺を惑わしてるって、
そろそろ気づけよな。


はぁぁ。
マジしんどい。

恋心を隠し通すのがさ。


『お仕置きだからな!』って
俺だけに都合の良い言葉を
吐き捨てて、

オマエの唇を奪いたくなるわ!


でもまぁ
そんな強引なことができるのは、
妄想空間にいる脳内の俺だけで

実際の俺は、
好きな女に嫌われるのが怖い
臆病者。

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