俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


「あの写真
 懐かしいじゃん」

「えっ?」

「壁に貼り付けて
 あるやつ」

「あっ、 
 私のお気に入りの写真ね。
 去年のサッカー大会で
 優くんと亮くんがレギュラーで
 優勝した時のだよ」


優の首に腕を回して
得意げなブイサインの亮と

ボールを抱きかかえて
控えめに笑う優。

そして
二人の後ろに映る俺。

全開で笑いすぎじゃね?って
過去の自分に
呆れ声をぶつけたくなる。


客観的に分析した結果、
俺の魅力は、笑顔よりも
冷血クール顔なんだぜ。

そりゃ璃奈は
双子の弟達への愛が
半端ない。

あの写真だって
俺が映っていなくても
壁に貼ったと思うけどさ。

もうちょいレベルの高い
俺の写真と、
貼り替えてくれない?


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