俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


「っつたく。
 気をつけろよな」


俺は何事もなかったような
顔をして立ち上がると

「璃奈はここに座って
 こたつの中に足ツッコんでろ」

歩いて壁に向かった。


小4以下のサッカー大会で
俺たちのチームが優勝した、
去年の写真を眺める。


カメラなんてもんを
向けられても、
普段は
1ミリも笑わない俺。

それなのに写真の俺は

真っ白い歯が
全部見えするほどの
快晴スマイル。

亮につられたのか
ピースサインまでしてるって。


この時の俺
どんだけ嬉しかったわけ?

デジカメ越しに、
璃奈が俺を
見つめてくれていたことがさ。

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