俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
サッカーのコーチをしていた時
俺は中3の璃奈に惚れた。
自分の想いを
伝えられずの片思い歴は、
もう3年。
終わりにしたい。
璃奈を手に入れたくて
モヤモヤしてしまう、
この関係を。
捨て去りたい。
嫌われるのが怖くて
ついキツイ態度をとってしまう、
身勝手な俺の性格を。
紡ぎたい。
恋人という立場で、
『大好きを』
伝え合う日々を。
暴走する俺の恋心。
鎮める術なんて
身につけていない。
俺は立ったまま
写真を手に取ると、
無表情で、写真を
ビリビリに破り捨てた。
「ちょっと、桜ちゃん!!」
「何?」
「その写真、私の宝物なの!!」
「それが何って、聞いてんだけど」
「酷いじゃん。
破っちゃうなんて」
涙目で
ふてくされた様に
唇を突き出した璃奈は
机の上のビリビリの写真を
大事そうに集めている。