俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
「桜牙はいいよね」
「何が?」
「スマホでいつでも、
璃奈ちゃんと繋がれてさ」
うわっ。
さらっと璃奈の名前出すの、
やめてくれない?
俺の口にくわえた
透明なほら貝から、
俺の理想妄想恋愛話が、
飛び出してきちゃうんだからさ。
「毎週土日は、
璃奈ちゃんと二人だけで
お泊りデートをしてるんでしょ?」
「……ああ」
「先週末は、どこに泊ったの?」
「いっつも、璃奈ん家だよ」
「2日間、朝から晩まで
大好きな子を独占かぁ」
「アイツ
甘えたがりだからな」
「桜牙、羨ましすぎだよ~~」
いやいや……
実際は2人だけじゃねぇし。
ヤンチャ盛りの男子が、
二人もいるし。