俺の気持ちに気づけよ、バーカ!



心に熱を宿せない
雪だるま。

最近の私は、そんな感じに
無気力で困りもの。


今まで当たり前のように
傍にいてくれた桜ちゃんが、
私の前から
消えちゃったんだもん。


『璃奈なんて大嫌いだ。ば~か』

乱暴な言葉と
強引なキスを
私の心に刻みつけて。


そりゃ

恋の熱を燃やせない
へたれ雪だるまに
なっちゃうよ。



今日はクリスマスイブ。


「ご注文は
 クリスマスプレート二つで
 よろしいでしょうか?」


私は今、カフェでバイト中。


「デザートは、
 食後にお持ちしますね」


お客さんに、
今にも崩れそうな笑顔を
なんとか振りまくのが
やっとの状態。


でも

笑顔を作る必要が
なくなった瞬間、
唇をかみしめずには
いられないんだ。


ラブラブカップルで満席の
狭い店内。

クリスマスマジックなのかな?

恋人たちの密着度が
普段より高めなのは。


見つめ合い
微笑み合うカップル達。

私は
羨ましくてたまらない。

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