俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
フフッ。
「高校ん時のヘタレな
ミルフィーユ王子には、
そんな勇気はなかったくせに」
「桜牙、笑いすぎだよ」
笑い混じりで
オマエをいじり倒さねぇと、
架空恋バナはできねぇんだよ。
俺は自分のヘタレ部分を
どうしても隠したくて、
やんちゃ声を雨璃にぶつけた。
「何? 図星すぎて、
涙出ちゃいそうとか?
これからは泣き虫御曹司って
呼んでやろうか?」
「やめてよ、桜牙。
うるるんに嫌われちゃうから」
「なんだよ、それ。
全部が死神女基準かよ。
アハハ~」
俺は自分の心を、必死に守っている。
情けない自分を隠す鎧を
まとうために。
親友をいじりながら。
俺のヘタレ本性がバレたら
璃奈にドン引きされるよなぁ。
アハハ……
マジで俺……
何をやってんだろう……