俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


「亮、優。お前ら、
 朝からホント元気だな」


「亮ちゃん、やったね。
 コーチに褒められた」

「だな~」



はぁ?

俺がいつどこで、
おまえらを褒めたよ。


「呆れてるんだよ。
 俺の吊り上がった眉毛見たら、
 わかるだろうが!」

「コーチ!
 早くグラウンドに行こうよ」

「自主練する時間
 なくなっちゃうからさ」



こいつらは俺の睨みを、
メラメラ燃える
サッカー熱でスルー。



「コーチが言ったんだろ?」

「何のことだよ?」

「レギュラーの座を死守したければ、
 誰よりも練習しろって」

「……ああ」

確かに
言ったことがあったけどさぁ。

< 25 / 332 >

この作品をシェア

pagetop