俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


でもでも
左手の薬指っていったら……

「結婚をするときに
 指輪をはめる指だよね?」


「俺にとっては
 意味が違うんだ」

「えっ?」

「好きな女の
 左の薬指にはめる
 リングはな」

「……うん」


「世界中の男どもに
 『璃奈は縣桜牙が売却済』
 だって、わからせるための
 ものなんだよ!!」


騎士のような
ワイルドな真剣顔を
浮かべる桜ちゃん。


どうしよう……

カッコよすぎだよ……


キュンキュンが加速しすぎの
私の心臓が

ギュルルンって火を噴いて
バタリと止まっちゃいそう。


「俺たちの結婚式まで
 何もつけてなかったら、
 璃奈と付き合いたい男たちが
 ウジャウジャ寄ってくるだろうが」

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