俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
考え事をしながら
歩いていると
「桜ちゃん
歩くの早いよ~」
荒い呼吸交じりの璃奈の声が
背中に突き刺さった。
俺は隣を確認。
璃奈がいない。
歩みを止め
慌てて後ろを振り向く。
小走りに駆けてきた
璃奈が
「桜ちゃんと私、
足の長さが違い過ぎ
なんだからね!」と
俺のコートの袖を
つまんできた。
「悪い。
なんかぼーっとしてて」
「考え事?
桜ちゃんこそ
電信柱にぶつかっちゃうよ」