俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


考え事をしながら
歩いていると


「桜ちゃん
 歩くの早いよ~」

荒い呼吸交じりの璃奈の声が
背中に突き刺さった。


俺は隣を確認。

璃奈がいない。

歩みを止め
慌てて後ろを振り向く。


小走りに駆けてきた
璃奈が

「桜ちゃんと私、
 足の長さが違い過ぎ
 なんだからね!」と

俺のコートの袖を
つまんできた。


「悪い。
 なんかぼーっとしてて」

「考え事?
 桜ちゃんこそ
 電信柱にぶつかっちゃうよ」

< 280 / 332 >

この作品をシェア

pagetop