俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
「なっ…、なんでって……」
「言いたくないわけ?」
やばっ。
つい、攻撃的な声を
浴びせてしまったし。
ちょっと怖かったか?
「言いたくないなら……
別にいいけど……」
「そうゆうんじゃないよ。
ただ……」
「ただ?」
「桜ちゃんって
歩くのが早いから……
袖を持ってれば
置いていかれないかなって……」
「だから悪かったって。
俺が璃奈に合わせて
ゆっくり歩いてやるよ」
「……違うのにぃ」
「はぁ?」
「だからぁ……
そういうことじゃ
ないんだってば……」
急にうつむきだした璃奈。
俺の袖を握ったまま、
恥ずかしそうに
視線を泳がせている。