俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


自分に都合のいい妄想が
モクモクで

『かわいい奴め』と
緩む口元を、手で隠した俺だったが……


璃奈の前では
常に完璧な自分でいたいのに、

早起きしてセットした前髪が
イタズラな北風に乱されたまま。

それがどうしても、許せない。



「いっつも言ってんだろ。
 ちゃんづけすんなって!」


余裕のなさから、つい、
璃奈に吠えてしまった。



あ~あ。

自分で好感度下げてるし。

自滅、極まりないし。

情けなさ過ぎて、泣きたいわ俺。

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