俺の気持ちに気づけよ、バーカ!

「私ね、気がついたの」


私は弟たちのために
完璧な母親を
目指していたんじゃない。


「ダメな保護者って
 注意されるのが怖くて、
 周りの目を気にして
 ビクビクしていた
 だけなんだって」


桜ちゃんは「そうか?」と
言いたげに、
首を傾けている。


「でもさ、亮くんと優くんが
 何か悪いことをしたら、
 私も一緒に
 謝ればいいんだよね?」


未熟者な母親代わりで
ごめんなさい。

わからないことだらけなので
色々教えてください。って

自分のダメさを認めて

姉として
頭を下げればいいんだよね?


「そう思えるようになったら、
 なんか
 肩の力が抜けちゃった」


人の顔色を気にしなくなったら
心が軽くなったんだ。


だからね


「もう二度と私は
 完璧な母親なんて目指さない」

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